大徳寺の歴史と見どころ
千利休や一休さんで知られる日本最大の禅寺
「このはし渡るべからず」や「屏風の虎」などの逸話で知られる一休さんこと一休宗純禅師がこちらの住職を勤めていたり、「茶の湯」を完成させた千利休が織田信長の怒りを買ってハラキリさせられる原因になったりと、なにかとインパクトのあるエピソードで知られる「大徳寺」。
基本的に観光寺院ではないので、シーズン外は参拝者もそれほど多くありません。
大徳寺のあるこの土地を「紫野(むらさきの)」といいます。平安時代は貴族が狩りをする場で、紫野の由来はむらさきの染料として用いられた紫草が多く自生していたことから。司馬遼太郎の『街道をゆく』でも、司馬が早春の京都・紫野を歩いた「大徳寺散歩」の章があります。

大徳寺の創建
大徳寺の創建は1319(元応元)年、鎌倉時代です。平安時代とか、それより前からある寺社がごろごろある京都で、そんなに古い歴史があるわけではありません。創建したのは大燈国師(宗峰妙超)という人物で、花園から後醍醐天皇の時代までは、後醍醐天皇が大徳寺を朝廷の勅願道場と定めたこともあって天皇家からあつい信仰をうけ、1326年には立派な伽藍も整います。
五山の更に上位に位置づけられるほど権威あるお寺でしたが、足利の時代には尊氏が夢窓疎石に帰依していたことから大徳寺への関心が薄くなり、大徳寺を五山十刹の第九位に落とされてしまい、大徳寺はその後この十刹自制度自体から離脱して独自の道を進みます。
大徳寺と一休宗純、千利休
時代は流れて応仁の乱が終わる頃、一休宗純(一休さん)と彼に帰依す堺の商人らがの手によって大徳寺は再興します。織田信長が明智光秀に図られ自害した後で豊臣秀吉は信長の葬式を大徳寺で盛大に行いました。
これがきっかけで秀吉に取り入ろうとする大名たちが大徳寺に塔頭を次々と建立。秀吉が茶に傾倒していたり、秀吉の茶の先生の千利休がもともと大徳寺に通っていたこともあったりで、塔頭では時代の最先端をいくかっこいい茶室や庭がこぞって建てられました。
塔頭はのちほど説明するとして、大徳寺の伽藍の見どころといえば三門です。なぜ見どころかというと、千利休が自害をせまられるきっかけとなったのがこの三門だからです。
門を改修する際に多額の寄付をした千利休への謝意を込めて、当初は山門の上層に雪下駄を履いた千利休の像が安置されました。しかし、(門をくぐると頭の上に利休の下駄がくることになるので)これを見た豊臣秀吉はひどく怒り、利休は自決に追い込まれてしまったのです。
大徳寺の山内と塔頭
京都でも最も大きい禅寺の一つで、妙心寺などと同じようにいくつもの塔頭で構成されている点が特徴です。
前述した『街道をゆく』の「大徳寺散歩」で司馬が、
名刹や古刹が観光資源かしてしまったこんにち、大徳寺だけは山内の一部をのぞいて、俗化をこばんでいる
といったように、山内の20以上ある塔頭の多くが今も通常拝観を行っていません。
うち龍源院・瑞峰院・大仙院・高桐院の4つは常時公開されていて、それぞれに見応えも十分。またいくつかは時期によって特別拝観があります。

大仙院
TEL 075-491-8346
拝観時間は午前9時から午後5時。
(12月から2月までは午後4時まで。)
当時の和尚古岳宗旦(こがくそうこう)の手による枯山水式庭園が有名です。写真撮影禁止ですのでご注意を。


龍源院
TEL 075-491-7635
拝観時間は午前9時から午後4時半。
拝観料350円。
勅使門南側。見事な苔で知られる一枝担(南)、枯山水式の竜吟庭(北)、国内最小の庭の東滴壺(東)という三つの庭があります。
瑞峰院
TEL 075-491-1454
拝観時間は午前9時から午後5時。
拝観料300円。
キリシタン大名の大友宗麟が創建。ここも庭が見もので、白砂と石、苔を使って大自然をあらわした「独座庭」、十字の石組みがある「閑眠庭」があります。


高桐院
TEL 075-492-0068
拝観時間は午前9時から午後4時半。
拝観料400円。
参道は、両側に楓が植えられ、庭園にも楓が多く、紅葉の名所として知られています。書院は千利休の住まいを移築したもので一見の価値ありです。高桐院の紅葉については別に記事を書いています。
大徳寺の御朱印
各院でそれぞれの御朱印があります。
聚光院の御朱印
御朱印がもらえる場所:聚光院受付
御朱印の奉納料:500円
御朱印をいただく際の注意点や御朱印の特徴:特別公開期間のみ
御朱印の画像:
総見院の御朱印
黄梅院の御朱印
高桐院の御朱印
大徳寺の詳細情報、アクセス、地図
住所:京都府京都市北区紫野大徳寺町
電話番号:075-491-0019
拝観時間/営業時間:本文参照
拝観料・料金:本文参照
公式サイト
大徳寺への行き方:
バスでアクセス
:市バス1、 特59、92、204、205、206番系統 で「大徳寺前」下車すぐ。